2010年7月23日金曜日

『川戸由紀と小林耕平』展

ギャラリーかれんでは今週の火曜日から『川戸由紀と小林耕平』展が始まっています。

初日にはオープニングレセプションがあり、川戸さんの学生時代の先生方や小林さんの知人のみなさん、お二人のファンの方、などいろいろな方がお集りになりました。(カメラを忘れていってしまい写真がありません。)

展示作業は小林耕平さんとアートかれんのスタッフが行いましたが、小林さんの「アトリエで制作しているような状態をそのままギャラリーへ持ってくる」というアイデアで展示がスタートしたそうです。

実際の展示はモニターが3台、壁面には川戸さんのドローイングや刺繍作品、床には低い位置のおかれたモニターの高さに合わせた木箱のようなベンチ(小林さん作)が並べてあります。そして小林さんのドローイング(量も多い)が床の上の低い台にランダムに置かれている、ような感じです。

言葉で説明してしまうとこのような構成ですが、ギャラリーかれんの空間がこんなに面白みのある場になったのは初めて見る、といった印象を受けました。壁があって床があって、作品が展示されている場所、というのではなく、作品が点在することで空間を建築しているように見えるというか、とにかくいい感じです。

そこにモニター3台がお二人の作品を映し出しているわけですが、それもさらに空間に含みを出しているように感じます。ドローイングや刺繍など見ごたえのある作品がならび、映像もついじっくり見てしまう作品で、見るものがたくさんあって頭がクラクラする、そんな展示でした。

小林さんの出展されている近作のは、住宅街の道路や空き地が舞台になり、そこを一人の人物がさまざまな小道具を扱いながら動き回るような映像作品です。はじめはその人物(小林さんご自身)の即興的な動きと映像の編集で構成される作品なのかな、と思っていたのですが、ずっと見ていると、どうもそうではないようで人物の動きや物の道路への配置などこそが画面や映像を構成する要素なのかなとも見え始めました。それにしてもカメラの動きや手ぶれ、ズームしていく動きなどは、厳密な意味でのコンポジションとしては機能していないような、少しゆるゆるしているものなのです。小林さんは絵画出身の方で、今回の展覧会にも多くのドローイングを展示しています。そのことと映像の作品との関係もつい考えながらモニターを見ていましたが、結局、よくわからないけどなんだか面白い、といった感想を持ちました。

小林さんと少しお話しましたがカメラの方とはいろいろと打ち合わせを重ね、撮影や制作には大変時間がかかっているようです。カメラの方とは具体的にはどんなやりとりがあって制作が進められたのかといことをもう少し突っ込んで伺ってみたかったのですが、小林さんから断片的にお聞きしたことと作品を見て私が感じたことを申してみますと、小林さんの作品が作品として成り立つ要素として、必要なもの、というのがたとえば映画的な文法やテクニック的なこと、映像として伝達することや意味を含ませることなどそういったこととはまったく別のことがらが必要になってくるのではないかな、それを具体的には何、とはわからないけどそれを探ったり作り出したりすることが作品を作るということなのかな、と思いました。

川戸さんの映像作品でもコピー用紙に色鉛筆で描いた背景の上を、小さな紙に描かれたキャラクターが自分のナレーションやテープに録音した音響に合わせて動き回る(画像をコマ撮りして)内容なのですが、二人とも作品としてとても興味深いし魅力的であるのですが、それ以上に二人が作品を作り続けている、ということ自体が(モチベーションや作家の興味の対象になる部分)注目するべきところなのではないかなと感じました。

小林さんの2000年ごろの作品を見て(会場で見ることができます)また近作を見ることで、人物が動き回る、人物が歩く、レスリングをしているなど、どういう繋がりがあるのかよくわからないような事柄がなにか見ていて自分に引っかかってくる、気になってくる、ついまた見てしまう、みたなものになってきます。

なんだか抽象的な感想でしたが、展覧会の紹介をしたいと思って書いてみました。
展覧会は7月31日土曜日まで(7月25日日曜日は休み)ぜひご高覧お願いいたします。
この二人の展示だからこそ見えてくる発見が必ずあります!!!