2010年12月16日木曜日

大槻英世 "Against the day"





かれんの企画展「みんなのアート大集合」に参加いただいた大槻英世さんの個展が始まります(今日から!)東京での個展は3年ぶりだそうです。

大槻英世  "Against the day"

2010年12月16日(木)-2011年1月22日(土) 14:00-18:00
日、月、祝日休み 年末年始は12月26日-1月5日休み
オープニングパーティー 12月26日(木)18:00~

会場:VFX Studio LOOP HOLE
183-0022 東京都調布市宮西町 1-15-13
電話 042-401-1633
京王府中駅より徒歩4分ほどです。アクセス

VFX Studio LOOP HOLE


大槻さんの初期の作品は、マスキングテープを使いながら引かれるシャープなラインと粘度の高い乾性油を使って描かれるうねるような、雲や空を思わせるパートとによって構成されるペインティングでした。

それらの作品では深いブルーのモノトーンで描かれている作品が多く、幾層にも塗り重ねられた画面はマスキングされる部分とそうでない部分が浅いレリーフ状になり、その深遠なるロマンティックな情景と、同時に画面上に展開される高い技術力によって作り上げられる絵画の構造で、オリジナリティの高い良質なペインティングでありました。

近作では、マスキング(テーピング)の行為そのものによりフォーカスがあたり、乾いてがさついたブラックの画面上にマスキングテープが張られているかのごとく(部分的には端があたかも剥がれかけているかのように)絵具で テープ そのものがえがかれていいるのです。

ただし実際に作品を目にしないとそのことがわかりません。上の写真は印刷物のさらに写真でそのことはまったくわからないと思いますが想像はできると思います。

画面構成としては初期のころより、より自由に、時にユーモラスに作家が絵作りを楽しんでいる様子がうかがえます。今回の個展もそのような新作が展示されるのではないでしょうか。

さらに言うと、大槻さんのネタ帳、というかいつも持ち歩いていらっしゃるドローイングのノートがあるのですが、その中に無数の構成のアイデアが詰まっていてとてもおもしろいのです。作品と作家の日常が強く結びついての作品であることをそのノートからも感じます。

超お勧め!!是非みなさん、ループホールで大槻作品をご堪能ください!!

2010年12月9日木曜日

福祉を変える「アート化」セミナー 埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館で行われる『福祉を変える「アート化」セミナー(主催:埼玉県障害者アートフェスティバル実行委員会 企画:財団法人たんぽぽの家)に活動の実践報告としてメープルかれんのスタッフ新堂泰江が参加します(二日間のうち一日目のみ)。


~ 福祉の現場に「アート」を取り入れてみる ~

今、利用者の「生活の質を飛躍的に向上」させたり、「地域とのつながり」や利用者の「作品の商品化」を成功に導く、福祉施設や団体などの先駆的な取組みが注目を集めています。

これらの取組みに共通するキーワードは、ズバリ「アート」。

このセミナーでは、このような先駆的な取組みを行っている方々を講師に迎え、なぜ福祉にアートが必要なのか、障害のある人のアート活動を支えるための具体的な方法は?などのテーマについて学びます。

この機会に「福祉」の現場に「アート」を取り入れてみませんか? きっと何かが変わるはずです。



日時:平成22年12月11日(土曜日)13時30分~17時  12日(日曜日)10時30分~16時30分

場所:埼玉県立近代美術館 講堂(2階)

対象:福祉施設(団体)職員や学生、アーティストをはじめ、どなたでもご参加いただけます。

定員:各日50人(申込先着順/2日間の通し参加ができる方優先。定員に空きがある場合のみ1日参加可能)

参加費:無料

申込:セミナー参加希望の旨と、氏名、連絡先、所属団体(施設・学校)を記載し、下記申込先あてMailまたはFaxでお申し込み下さい。 (電話受付も可能)

詳細

埼玉県立近代美術館

アクセス

2010年12月8日水曜日

『みんなのアート大集合』参加作家さんの活動紹介





画家、古谷利裕さんの個展で開催されるトークイベントに『みんなのアート大集合』に参加の画家、井上実さんが参加します。

『古谷利裕』 2010年12月9日(木)-2010年12月21日(火)
13:00-22:00 12月15日はお休み

トークイベント『絵の話』
12月10日(金) 19:00-21:00

参加者:古谷利裕 浅見貴子 井上実 郷正助 はい島伸彦(はいは草冠に配) 松本三和様

会場:現代HEIGHTS GALLERY Den+.st
155-0031 東京都世田谷区北沢 1-45-36
(小田急線東北沢・京王井の頭線池ノ上駅より4分、小田急線下北沢駅より10分)


かなり面白そうです。期待してしまいます。伝説のトークイベントになる?








『みんなのアート大集合』に参加の画家、岩熊力也さんの個展が開催されます。年明け、二会場。

『Gas station Humburger Queen』
2011年1月14日(金)-2月10日(木)
12:00-18:00 土・日・祝日 休館
オープニングレセプション 1月14日 17:00-19:00
 18:00~ ポンちゃん人形(腹話術)による紙芝居
第一生命南ギャラリー
100-8411 東京都千代田区有楽町 1-13-1 DNタワー21 第一生命本館1階

『砂の島』
2011年1月7日(金)-1月22日(土)
11:30-19:00 最終日17:00まで 日曜休廊
コバヤシ画廊企画室

毎年年明けの個展を続けている岩熊さん、来年は二本!!

2010年12月7日火曜日

『みんなのアート大集合』 + お知らせ + 報告



『みんなのアート大集合』は先週土曜日で無事、終了いたしました。
会場へ足をお運びいただいた皆様、どうもありがとうございました。
参加作家のみなさまも本当にお世話になりました。

ギャラリーかれんでは月曜日から新しい展覧会がはじまり、メープルかれんでも作品の発送準備のため壁から絵を下ろしたりと、あっという間に展覧会の雰囲気がなくなってしまい、とてもさみしいような気分です。

少しの写真ですが、展覧会の様子、お伝えします。





門田光雅さんの作品、次回のVOCA展に参加予定です。会期中はちょうどそのための作品を制作している時期でお忙しい中でのオープニングの参加。緊張してすごしている中に制作への悩みや、同時に充実した様子がうかがえました。がんばれ!!





今村仁さんと竹植耕平さんの作品。なぜかお二人の作品をからませながらメープルかれんにあるコーナーを使って展示してみました。ユーモアあふれる作品たちが和やかな一画を演出しているようで、とても好きな展示場面で今回の展覧会のハイライトのひとつとも言えそうです。





浅野彌弦さんの作品。ピンホールカメラを使って撮影した写真です。主に立体と絵画の制作を同時に行いつつその関係性をテーマにする作家さんですが、最近はさらに写真表現も取り入れ表現の諸問題を追及しているようです。色がとてもきれいでした。4月には京橋のギャラリー檜で個展が開催されます。


会期中は多くの方に来ていただきましたが、印象的なのは美術大学の学生さんや卒業したばかりの若い方たちが何人も見に来てくださったことでした。かれんのメンバーさんの作品やかれんの活動、また若手のみなさんからベテランの作家さんまでこの展覧会にかかわってくださる方たちの事などが、このように見に来てくださった若いこれからの作家さんたちに少しでも刺激になればとてもうれしく思います。

また福祉の活動とアートの世界がこのような形で浸透しあうことが、少しでも多くの方に感じていただければさらにうれしく、絵を描く、作品を作り続けるという営みが個人的な活動としてではなく、しっかりと社会とのつながりを作る手段なのだということが少しでも、とくに若い人たちに感じていただければと思ってしまいました。

若い皆さん、がんばってくださいね!!




それから現在開催されている展覧会のお知らせ。



A|A gallery 『Christmas Gift Collections』
2010年12月3日から12月24日まで

クリスマスギフトとして小品を集める展覧会。かれんからは荒井麻理子さん、川戸由紀さん、佐々木貴子さん、成富幸さん、渕上さおりさん、栁まどかさんの6名が参加しています。

A|A gallery

アクセス

3331 Arts Chiyoda 二階
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14

東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分




それから、報告。

『ドラえもんを描く』展 六本木テレビ朝日ギャラリーumuを見てきました。

今週の日曜日が最終日でした。



これがテレビ朝日ギャラリーumu。普段はイベント用のレンタルスペースのようです。




アートかれんの牧島美帆さんの作品。なんと今回、「テレビ朝日事業局賞」を受賞しました!!!





ジャジャーン!!

2010年12月3日金曜日

『みんなのアート大集合』あしたまで!



今日は朝から土砂降りの大雨。雨は次第に止んだものの一日風が強く、しかも生暖かい。春の嵐のような一日でした。

『みんなのアート』大集合もいよいよ明日まで。今日もこんな天候の中、何人もの方が会場へ足を運んでくださいました。あすはおだやかな天気の中最終日を迎えられればと、思っています。

2010年12月2日木曜日

ドラえもんを描く―My DORAEMON― 展



林原国際芸術祭“希望の星”「ドラえもんを描く―My DORAEMON―」展にアートかれんの磯部涼さん、飛岡悠太さん、牧島美帆さん、メープルかれんの渕上さおりさんが入選しました。展示は六本木テレビ朝日内、ギャラリーumuで12月1日から12月5日までです。

展覧会はこの後、香港、倉敷・加計美術館、他へ巡回します。

六本木での展示では牧島美帆さん、磯部涼さんの作品が展示されているようです。




以下、ペーストです。

林原国際芸術祭“希望の星”は、社団法人林原共済会が2003年に創設。障がいをもちながらも芸術活動に積極的に取り組んでいるアーティストらを応援するとともに、その芸術活動を通じて世界の人々の心をつなぎ、喜びを共有する活動として始められた。7回目を迎える今回は、世界中で人気のキャラクター「ドラえもん」をテーマに、日本、香港、韓国、シンガポール、ネパール、イタリアの障がいのあるアーティストが描いた「ドラえもん」を59点展示する。

オープンは12~19時(最終日は17時)。

テレビ朝日ギャラリーumu

160-8001 東京都港区六本木6-9-1 電話03-6406-1968
アクセス

林原共済会

2010年12月1日水曜日

『みんなのアート大集合』 メープルかれんの展示 + 参加作家の他展覧会紹介!!



『みんなのアート大集合』は今週土曜日までです。

今日は第二会場となります、メープルかれんでの展示を少し紹介します。写真は展示の一部、左から佐々木貴子さん、小林良一さん、樋口まみさんの作品です。




荒井麻理子さんの作品、赤がとてもきれいです。





メープルかれんの玄関に夏ごろからグッズコーナーを設けました。紙すき製品、手織りの作品を展示販売しています。壁にかかっているのは樋口まみさんの小品です。




『みんなのアート大集合』に参加されている作家のみなさんの展覧会の紹介をいたします。




小林良一さんが参加する『SO+ZO展』は11月28日まで(あ、すでに終了してました。)

http://www.kuwasawa.ac.jp/sozo/exhibition.html

小林良一さんの作品は第二会場 桑沢デザイン研究所一階ホールに展示されていました。

1994、1995年ごろの作品が二点、国立近代美術館で95年に開催された『絵画、唯一なるもの』に参加される時期のもので非常に力強くいい絵でした。






鈴木繭子さん『シート』(秋山画廊)昨日まででした。。。

鈴木さんは今回初めてかれんの展覧会に参加してくださった作家さんです。既製の物(椅子や脚立など)や木で作られた造形、ドローイングなどがさりげなく、しかし独自の感覚により組み合わせられ研ぎ澄まされた空間を作りだします。

今回の『シート』展もとてもシンプルに構成されていましたが、その場に身を置くことでしか感じることができない、目に作用するもの(見るという行為が持つ感触)や、時間や音が遠のいていくような感覚、など日常では体験できない(でも、もしかしたら日常の隠れた場所にいくつも存在する)ような場に招かれたような、そんな気分になる展覧会でした。

すごくお勧めでしたが、会期が終わってしまいました、残念。。。

『みんなのアート大集合』での鈴木さんの作品はドローイングが中心です。メープルかれんでは、展示部屋の一画に作品を重ねて立てかけるような構成で、紙を支えているカルトンやドローイングに組み合わせてあるガラス板が、淡い描画との間に緊密な関係性を作り上げており、凛々しいような場を築いています。


秋山画廊 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-6






今村仁さんが参加している『ゼロイスト宣言in仙台 東京報告展』 
Gallery K 12月4日(土)まで!!

楕円形や細長い四角などさまざまなフォーマットで毎回ユニークな作品を出展してくださる今村仁さんが参加する、母校TSA出身者によるグループ展です。

今村さんの作品は基本的には絵画、それも油彩画なのですが、支持体となるキャンバスが張られるものも、普通の四角いストレッチャーが使われることもあれば木の枝を斜めにスライスしたようなプレート(楕円になる)や椅子の座面部分、発泡スチロール、などに麻布が張られて使われたり、石や流木などに直接描かれることもあり絵画の枠を飛び出していきそうな、でも"絵画"的な作品です。

画材も油彩を中心にラメが入ったものや模型用のパウダー状のもの、ふでの先の部分がそのまま画面に突き刺さったものなどさまざまです・・近作では"顔"を思わせる作品(目、鼻、口がある)が多く、タイトルも『お多福』、『田舎娘』などいい感じに笑いを誘ってくれます。

しかし、作品は非常にシリアスに"絵画"という伝統的なメディアと向かい合っている作家の姿勢が表れており、絵具のつきや厚み、てり、のような部分が非常にデリケートにコントロールされているように見えます。技巧的にもかなり高いレベルでの仕事も多く見受けられ、近年は本来今村さんが持っている独自の"センス"と技巧、それに卓越した絵画美術の知識(愛情)が一つに結びつきつつあるような作品を連発して発表されています。

Gallery K 〒104-0031東京都中央区京橋3-9-7京橋ポイントビル4F






吉澤美香さん参加の『LIAISPN -Enishi-』 ギャラリー・アートアンリミテッド 2010年12月4日(土)から12月24日(金)まで

吉澤さんが作品を発表されている乃木坂のギャラリー・アンリミテッドでの5作家によるグループ展。

吉澤さんは初期のころから一貫して、描くという行為と何に描くか(素材)ということの関係性をご自身の生活や環境(地域~世界)と無理のない距離をつかみつつ、その中で作品を作られているように感じます。

今回『みんなのアート大集合』に出展いただいている作品も何かのパッケージのようなものを開いて再利用されたものの上にセロファン状のものが重ねられ、その上に描かれている作品です。物質の重なりや異素材の組み合わせが、単に組み合わせたということに終わらず、描く行為によってそれが自然に一体化しているように見えます。また作品の外側の形が(パッケージやセロファンをパッと重ねてあるようなので)淡いリズムを生み(透明素材なのでそうガクガクしてみえるわけではない)見ていて心地よく、描かれるもののもつやわらかい浮遊感をいっそう引き立てるようです。

『LIAISPN -Enishi-』展ではどのような作品が出展されるのでしょうか。

ギャラリー・アートアンリミテッド 
〒107-0062 港区南青山1-26-4 六本木ダイヤビル3F







いつもお世話になっている渋谷のギャラリー二モードさんでのグループ展

『SAKKA ZAKKA 作家の作った雑貨展』2010年12月5日(日)~12月12日(日)


10名の美術作家が作った雑貨の展覧会。
普段の作品とはまた違った雑貨がみられます。
アートかれんスタッフの南が参加します。

ギャラリー二モードさんは『みんなのアート大集合』参加作家の岩熊力也さんと奥様が企画した展覧会が行われています。現在の渋谷のスペースに加え、墨田区本所にも新しいスペースを準備中だそうです。新しいスペースもとても楽しみです。

ギャラリー二モード 
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-23-3







児玉靖枝さんが参加する『プライマリー・フィールドII 絵画の現在-七つの〈場〉との対話』 神奈川県立近代美術館 葉山館 2010年12月4日(土)~2011年1月23日(日)

児玉さんはかれんの企画展に毎回参加いただいています。今回、神奈川県立近代美術館 葉山館での展示ということで、かれんの地元(神奈川)なのでとてもうれしい!葉山の美術館も海沿いに立つとてもきれいな会場で、家族連れで訪れてもすごしやすいいい場所です。

児玉さんは抽象的な画面の作品から発表を始められ、近年では半具象的な絵を描かれます。移ろいやすい光や風、空気を木々や草花を描くことで画面に定着していくような、そんな作品です。意外と(?)知られていないかもしれませんが、使われるキャンバスはすべて児玉さんが作られているようです。非常にデリケートな表現を支えるための、ご自分が一番描きやすいと思えるものをつくっていらっしゃるのではと思います。そうでないと描けない作品だと思います。

児玉さんは今回の葉山での展覧会に合わせて京都からこちらへいらしています。先日もかれんの展覧会を見に来てくださいました。

展覧会、とても楽しみです。

神奈川県立近代美術館 葉山館 〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1


以上、展覧会紹介でした。