2010年12月1日水曜日

『みんなのアート大集合』 メープルかれんの展示 + 参加作家の他展覧会紹介!!



『みんなのアート大集合』は今週土曜日までです。

今日は第二会場となります、メープルかれんでの展示を少し紹介します。写真は展示の一部、左から佐々木貴子さん、小林良一さん、樋口まみさんの作品です。




荒井麻理子さんの作品、赤がとてもきれいです。





メープルかれんの玄関に夏ごろからグッズコーナーを設けました。紙すき製品、手織りの作品を展示販売しています。壁にかかっているのは樋口まみさんの小品です。




『みんなのアート大集合』に参加されている作家のみなさんの展覧会の紹介をいたします。




小林良一さんが参加する『SO+ZO展』は11月28日まで(あ、すでに終了してました。)

http://www.kuwasawa.ac.jp/sozo/exhibition.html

小林良一さんの作品は第二会場 桑沢デザイン研究所一階ホールに展示されていました。

1994、1995年ごろの作品が二点、国立近代美術館で95年に開催された『絵画、唯一なるもの』に参加される時期のもので非常に力強くいい絵でした。






鈴木繭子さん『シート』(秋山画廊)昨日まででした。。。

鈴木さんは今回初めてかれんの展覧会に参加してくださった作家さんです。既製の物(椅子や脚立など)や木で作られた造形、ドローイングなどがさりげなく、しかし独自の感覚により組み合わせられ研ぎ澄まされた空間を作りだします。

今回の『シート』展もとてもシンプルに構成されていましたが、その場に身を置くことでしか感じることができない、目に作用するもの(見るという行為が持つ感触)や、時間や音が遠のいていくような感覚、など日常では体験できない(でも、もしかしたら日常の隠れた場所にいくつも存在する)ような場に招かれたような、そんな気分になる展覧会でした。

すごくお勧めでしたが、会期が終わってしまいました、残念。。。

『みんなのアート大集合』での鈴木さんの作品はドローイングが中心です。メープルかれんでは、展示部屋の一画に作品を重ねて立てかけるような構成で、紙を支えているカルトンやドローイングに組み合わせてあるガラス板が、淡い描画との間に緊密な関係性を作り上げており、凛々しいような場を築いています。


秋山画廊 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-6






今村仁さんが参加している『ゼロイスト宣言in仙台 東京報告展』 
Gallery K 12月4日(土)まで!!

楕円形や細長い四角などさまざまなフォーマットで毎回ユニークな作品を出展してくださる今村仁さんが参加する、母校TSA出身者によるグループ展です。

今村さんの作品は基本的には絵画、それも油彩画なのですが、支持体となるキャンバスが張られるものも、普通の四角いストレッチャーが使われることもあれば木の枝を斜めにスライスしたようなプレート(楕円になる)や椅子の座面部分、発泡スチロール、などに麻布が張られて使われたり、石や流木などに直接描かれることもあり絵画の枠を飛び出していきそうな、でも"絵画"的な作品です。

画材も油彩を中心にラメが入ったものや模型用のパウダー状のもの、ふでの先の部分がそのまま画面に突き刺さったものなどさまざまです・・近作では"顔"を思わせる作品(目、鼻、口がある)が多く、タイトルも『お多福』、『田舎娘』などいい感じに笑いを誘ってくれます。

しかし、作品は非常にシリアスに"絵画"という伝統的なメディアと向かい合っている作家の姿勢が表れており、絵具のつきや厚み、てり、のような部分が非常にデリケートにコントロールされているように見えます。技巧的にもかなり高いレベルでの仕事も多く見受けられ、近年は本来今村さんが持っている独自の"センス"と技巧、それに卓越した絵画美術の知識(愛情)が一つに結びつきつつあるような作品を連発して発表されています。

Gallery K 〒104-0031東京都中央区京橋3-9-7京橋ポイントビル4F






吉澤美香さん参加の『LIAISPN -Enishi-』 ギャラリー・アートアンリミテッド 2010年12月4日(土)から12月24日(金)まで

吉澤さんが作品を発表されている乃木坂のギャラリー・アンリミテッドでの5作家によるグループ展。

吉澤さんは初期のころから一貫して、描くという行為と何に描くか(素材)ということの関係性をご自身の生活や環境(地域~世界)と無理のない距離をつかみつつ、その中で作品を作られているように感じます。

今回『みんなのアート大集合』に出展いただいている作品も何かのパッケージのようなものを開いて再利用されたものの上にセロファン状のものが重ねられ、その上に描かれている作品です。物質の重なりや異素材の組み合わせが、単に組み合わせたということに終わらず、描く行為によってそれが自然に一体化しているように見えます。また作品の外側の形が(パッケージやセロファンをパッと重ねてあるようなので)淡いリズムを生み(透明素材なのでそうガクガクしてみえるわけではない)見ていて心地よく、描かれるもののもつやわらかい浮遊感をいっそう引き立てるようです。

『LIAISPN -Enishi-』展ではどのような作品が出展されるのでしょうか。

ギャラリー・アートアンリミテッド 
〒107-0062 港区南青山1-26-4 六本木ダイヤビル3F







いつもお世話になっている渋谷のギャラリー二モードさんでのグループ展

『SAKKA ZAKKA 作家の作った雑貨展』2010年12月5日(日)~12月12日(日)


10名の美術作家が作った雑貨の展覧会。
普段の作品とはまた違った雑貨がみられます。
アートかれんスタッフの南が参加します。

ギャラリー二モードさんは『みんなのアート大集合』参加作家の岩熊力也さんと奥様が企画した展覧会が行われています。現在の渋谷のスペースに加え、墨田区本所にも新しいスペースを準備中だそうです。新しいスペースもとても楽しみです。

ギャラリー二モード 
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-23-3







児玉靖枝さんが参加する『プライマリー・フィールドII 絵画の現在-七つの〈場〉との対話』 神奈川県立近代美術館 葉山館 2010年12月4日(土)~2011年1月23日(日)

児玉さんはかれんの企画展に毎回参加いただいています。今回、神奈川県立近代美術館 葉山館での展示ということで、かれんの地元(神奈川)なのでとてもうれしい!葉山の美術館も海沿いに立つとてもきれいな会場で、家族連れで訪れてもすごしやすいいい場所です。

児玉さんは抽象的な画面の作品から発表を始められ、近年では半具象的な絵を描かれます。移ろいやすい光や風、空気を木々や草花を描くことで画面に定着していくような、そんな作品です。意外と(?)知られていないかもしれませんが、使われるキャンバスはすべて児玉さんが作られているようです。非常にデリケートな表現を支えるための、ご自分が一番描きやすいと思えるものをつくっていらっしゃるのではと思います。そうでないと描けない作品だと思います。

児玉さんは今回の葉山での展覧会に合わせて京都からこちらへいらしています。先日もかれんの展覧会を見に来てくださいました。

展覧会、とても楽しみです。

神奈川県立近代美術館 葉山館 〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1


以上、展覧会紹介でした。